社長に直撃!「ライザップ五つの疑問」

週刊ダイヤモンド(2015/5/30)に、社長に直撃!「ライザップ五つの疑問」という記事があり、それがライザップに興味を持つ人が聞いてみたいど真ん中の質問で、それに対する瀬戸社長の答えが、とてもよかったのでメモしておきます。

質問

週刊ダイヤモンド(2015/5/30)を読みました。古い雑誌でも今は電子版で簡単に買うことができます。

週刊ダイヤモンド15年5月30日号
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最初の特集が、「人気爆騰! ライザップの秘密」でライザップについて記事がいくつかあり、その中に、社長に直撃!「ライザップ五つの疑問」という記事がありました。

瀬戸健社長に、疑問をぶつけて答えてもらうという記事です。5つの質問はど真ん中を狙った直球でいいな!と思いました。

ライザップ終了後リバウンド率が高い?

高い料金を払ったけれど、終わったらまた太ってしまった人は多いのだろうか少ないのだろうか?聞いてみたいところです。

Q1 ライザップ体験者の中には2カ月間で減量に成功したものの、厳しい筋トレと食事制限から解放された途端に、リバウンドしてしまった人が多い。短期集中型はリバウンドリスクも大きいのではないか。

これに対する答えは、至極まっとうなものです。体重を減らしても元の食生活にもどせば太ります。せっかくやせたのだから、食事に気をつけるようになります。

A ライザップのホームページには「リバウンドしない」とは一言も書いていない。当たり前だが、暴食すれば太る。われわれは魔法を使っているわけではなく、リバウンドしやすいかどうかという点で見ている。

普通のダイエットであれば、カロリー制限が中心で筋トレを伴わない。筋肉が落ちると基礎代謝が一気に減り、太りやすい体質になってしまう。

ライザップは体重を減らす局面で基礎代謝が落ちないように努力している。筋肉を維持しながら脂肪を落とし、太りにくい体をつくるのがわれわれのやり方。

もう一つは、ライザップに来ると食事の成分に詳しくなる。僕も1日平均2回会食するが、締めのコメをやめるとか、ビールから焼酎に替えるとか、テクニックを知っているだけでかなり違う(太りにくい)食事のメニューを選択できるようになる。

アフターケアのサービスも必要とされていると認識している。これまでのような1回限りのサービスというより、生涯利用してもらえるパートナーとしてパーソナルトレーニング産業をつくりたい。

しかし、トレーニングを何年間も続けてもらうのは経済的負担が大きい。1ヵ月に1回ジムにきてもらうだけでもいい。トレーナーに定期的に会えば、体重を維持しなくちゃ、という気持ちに戻ると思う。

1回当たりの料金で、すでにこのサービスは始めている。

たとえ、高い料金を払っても、世の中に魔法のような方法はありません。体重を維持するのは自分の責任です。アフターケアのサービスは、余分な費用がかかります。最低限必要な料金で収めるのが一番です。

糖質制限食を続けることに危険はないのか?

ご飯を主食とするわれわれには、ご飯を食べないで代わりにたんぱく質や脂肪で栄養を賄うことには抵抗感があります。

Q2 ライザップが実践する糖質制限を続けることへの危険性を指摘する医師や専門家もいる。偏った食事の取り方に健康上のリスクはないのだろうか。

この記事を書いているのは、週刊誌が出た3年後です。この間、糖質制限はひどく体に負担をかけるものでなく、血糖値が上下するのをコントロールできる、実はよいものだと世間では思われるようになって来ています。

まだ、この頃は糖質制限で結果は出るが、ずっと続けて大丈夫なのか確証が持てない感じが答え方から伝わってきます。

A まずわれわれは糖質制限自体が目的ではない。膨大なデータを参考にし、痩せるために一番必要なことをチョイスした結果が糖質制限。

一般的に日本人は糖質を取り過ぎているので、ライザップでは2ヵ月間限定で減らしている。しかしすでに痩せている人に対しては、逆に食べる量を増やすこともある。

何でも彼でも糖質制限をしているのではなく、2ヵ月間で体重が落ち切ったらその後は食べてもらうなど、各人に合った食事プランをトレーナーが個別指導をしている。

糖質制限のリスクは無論、われわれも認識している。例えば、タンパク質の摂取量が増えすぎると腎臓に負担がかかったりする。どんなことでもやり過ぎは良くないが、そのことが部分的切り取られ、極端な批判につながっているのが現状だと思う。

糖質制限に関するデータは実は世界を見回しても少ないが、われわれは今後、世界最先端のデータを保有することになる。

糖質制限で実際に痩せているし、このことをわれわれが証明するしかない。客観的なデータを総合的に分析した結果、糖質制限がベストだと思っている。

おかずや汁物を食べる順番にもいろいろな意見があるが、食べ方自体がダイエットにいいというデータはない。われわれが重視しているのはあくまで糖質の絶対量だ。

ライザップのプロテインは高すぎるのではないか?

入会時、あるいはトレーニングが始まるとプロテインをすすめられるという話は、ネットのあちこちで出ています。安ければ問題視されないのですが、普通に買えるプロテインと比べてとても高い。ど真ん中の質問です。

Q3 ライザップ製のプロテインは2万8000円、サプリメントは1万5000円と市販に比べてかなり高額だ。価格に見合った効果はあるのか。

瀬戸社長の答え方は、特に最後の部分がとても上手だなと思います。高級レストランに行って食後のコーヒーを「いかがですか?」とすすめた時に、それが高いのは当たり前だと思うのが普通でしょう?とたとえているのです。

A 普通は、トレーニングをしたら筋肉が破壊される。それが回復するときに筋肉が付く。ライザップのプロテインは、筋肉が付きやすいよう、血中アミノ酸濃度などのデータを基に、一から全てを配合した。

これは日本にはなかったもので、特許申請中だ。一つ一つの商品にこだわりを持っている。価格が高い、安いという議論はよくあるが、われわれはライザップの商品について誇りと自信を持っている。

例えば高級レストランに来た客に店員は「うちはコーヒーが高いので、安い所で飲んでください」とは言わない。いろいろな捉え方があると思うが、価格には世界観が含まれていると思ってほしい。

食品メーカーが出している安いプロテインで十分だと考えている方は、高級レストランの食後のコーヒーを「結構です」と断ればよいだけです。

大量採用のトレーナーの質をどう維持するのか?

ライザップの提供するサービスの担い手はトレーナーです。一般的なジムのトレーナーならジムにいる時間が仕事の時間ですが、ライザップのトレーナーは、利用者の食事の写真を送ってもらい、評価し、励ましたりしなければいけません。忍耐力があり、利用者とうまくやっていくコミュニケーション能力が求められます。これって、簡単なことではないです。しかも、トレーナーの引き抜きもあるのですね。

Q4 店舗数や会員数が急増すれば、対応するトレーナーをどう確保するか、という課題に直面する。競合店が乱立し、トレーナーの引き抜きも多いと聞く。

トレーナーにかかる負担が大きい分、待遇をよくしなければよい人は来てくれません。しかし、会社に勤めていると社員全員が優秀な会社なんてないことはよくわかります。

ライザップで求められているコミュニケーション能力は、個人の性格によるところが大きいと思います。訓練で底上げはできると思いますが、よい人をたくさん揃えるのはむずかしいだろうなと思います。冒頭、人材確保が何よりも難しいと言っている意味がわかるような気がします。

A はっきり言って人材確保が何よりも難しい。参入企業が必ず苦労する部分。われわれのコストの優先順位としても求人費用は高く、面接数も多い。

毎日のように研修をやっている。それがライザップの成長の源泉といっていい。まず採用の時点で厳選しているので、普通なら即デビューしてもおかしくないレベル。

そこから250時間程度の研修を受け、現場で補助に入る。すぐにトレーナーになれるわけではない。研修資料は全てオリジナルで作っている。

普通なら筋トレの技術から入るが、うちはコミュニケーション能力の向上から始める。資格試験も全てオリジナルで作っている。

よく似たトレーニングのジムは数多いが、ほとんどがトレーナーを組織化できていない。ライザップのトレーナー数は現在約700人、今年中に1000人を超える見通しだ。

トレーナーを組織化するために最重要なのが理念の共有だと思っている。また3万人のデータを基に、どういう指導でダイエットに成功したのか、あるいはできなかったのか、徹底的に分析している。その結果、法則性が見つかり、再現性が確保できている。

2ヵ月の最短コースがあるが、実は1ヵ月になる前にゲストの情報を入力すれば、どんな経緯で最終的に何キログラム痩せるか、90%以上の確率で予想できる。

こういう分析に基づいて教育のマニュアルを作り、常にバージョンアップしている。

ライザップが入社したトレーナーをどのように評価して、トレーナーのモチベーションを上げているのか知りたいところです。

「30日間の全額返金保証」について

「30日間の全額返金保証」のような制度は、通販会社で時々見ます。ライザップの前身は豆乳クッキーで大ヒットした通販会社なので、こういう仕組みを提供したのだろうと思っていました。ただし、1人に返金する金額が大きいのですが。

Q5 「30日間の全額返金保証」は売りの一つだが、実際に返金を求める会員はいるのか(※取材後の5月18日、この表記が利用者に誤解を招き、景品表示法などに違反する疑いがあるとして、NPO法人が削除を依頼している)。

瀬戸社長は、「会員の4~5%は途中でやめていて」と最初に答えていますが、こういう具体的な回答は、ライザップを利用しようかと考えている人に安心感を与えます。

A 会員の4~5%は途中でやめていて、返金に応じている。実際に痩せることができていても、トレーナーの対応が悪いというだけで返金に応じている。

料金には満足度保証も含まれているからだ。もちろん会社としては痛手だが、長い目で見ればわれわれが変われるきっかけになる。

われわれは人生最高の体を提供したい。25%ぐらいの体脂肪率でライザップを始めると、だいたい2ヵ月間で15~16%まで落ちる。

会員の多くは「学生時代に戻りたい」というが、50~60代でも学生時代を超えることができる。2ヵ月以上のトレーニングを続ける人も多い。

NOTE

週刊ダイヤモンドの記者は、どうしたら読者に興味を持ってもらえるのかをいつも考えているからでしょう。ど真ん中の直球質問ばかりよく考えられるなと思います。しかし、瀬戸社長がこの質問に答えることで、ライザップの好感度は上がります。

ライザップのサイトを時々見たり、プレスリリースを時々読んでいますが、この記者さんのような能力を持つ人の助けを借りると、内容がもっとよくなるように思いました。

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