チーズは低糖質の食品ですが、種類によってたんぱく質の量にバラツキがあります。たんぱく質重視の方は、よく調べて選んでください。ナチュラルチーズは牛乳(山羊乳)を乳酸菌と酵素を加えて固め、さらに水を抜いて塩を加えて熟成して作ります。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを細かく粉砕し、乳化剤を加えて加熱して溶かして作ります。
チーズは種類が多い
日本食品標準成分表2020年版(八訂)でチーズを調べると、こんなにたくさん出てきました。
一つだけやぎ乳が原料のチーズがありますが、それ以外は牛乳が原料です。比較のために一番上に牛乳の栄養成分を載せました。
チーズは低糖質だが、たんぱく質の量にバラツキがある
表を見ると、チーズが低糖質食品であるのは間違いありません。表には炭水化物だけしか載せていませんが、チーズの食物繊維総量はゼロです。炭水化物量=糖質量です。
表を見ると、たんぱく質の量にバラツキがあります。100gあたり、4.4gから44gまで幅があります。これはほぼ含まれる水分量によります。水分が増えるとたんぱく質の量が減るのですが、クリームチーズなど大体の傾向からずれたものもあります。
せっかく食べるなら、たんぱく質の多いチーズを選ぶのがよいです。
食品成分 | エネルギ ー |
水分 | たんぱく 質 |
脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食塩相当 量 |
普通牛乳 | 61kcal | 87.4g | 3.3g | 3.8g | 4.8g | 0.7g | 0.1g |
ナチュラルチーズ/ エダム |
321kcal | 41g | 28.9g | 25g | 1.4g | 3.7g | 2g |
ナチュラルチーズ/ エメンタール |
398kcal | 33.5g | 27.3g | 33.6g | 1.6g | 4g | 1.3g |
ナチュラルチーズ/ カテージ |
99kcal | 79g | 13.3g | 4.5g | 1.9g | 1.3g | 1g |
ナチュラルチーズ/ カマンベール |
291kcal | 51.8g | 19.1g | 24.7g | 0.9g | 3.5g | 2g |
ナチュラルチーズ/ クリーム |
313kcal | 55.5g | 8.2g | 33g | 2.3g | 1g | 0.7g |
ナチュラルチーズ/ ゴーダ |
356kcal | 40g | 25.8g | 29g | 1.4g | 3.8g | 2g |
ナチュラルチーズ/ チェダー |
390kcal | 35.3g | 25.7g | 33.8g | 1.4g | 3.8g | 2g |
ナチュラルチーズ/ パルメザン |
445kcal | 15.4g | 44g | 30.8g | 1.9g | 7.9g | 3.8g |
ナチュラルチーズ/ ブルー |
326kcal | 45.6g | 18.8g | 29g | 1g | 5.6g | 3.8g |
プロセスチーズ | 313kcal | 45g | 22.7g | 26g | 1.3g | 5g | 2.8g |
チーズスプレッド | 284kcal | 53.8g | 15.9g | 25.7g | 0.6g | 4g | 2.5g |
ナチュラルチーズ/ マスカルポーネ |
273kcal | 62.4g | 4.4g | 28.2g | 4.3g | 0.8g | 0.1g |
ナチュラルチーズ/ モッツァレラ |
269kcal | 56.3g | 18.4g | 19.9g | 4.2g | 1.3g | 0.2g |
ナチュラルチーズ/ やぎ |
280kcal | 52.9g | 20.6g | 21.7g | 2.7g | 2.2g | 1.2g |
ナチュラルチーズ/ リコッタ |
159kcal | 72.9g | 7.1g | 11.5g | 6.7g | 1.7g | 0.4g |
チーズはどうやって作るのか
チーズはどのように作るのか。チェスコ株式会社のチーズの作り方にナチュラルチーズとプロセスチーズの作り方がありました。詳しくはそちらをご覧下さい。図もあり、わかりやすいです。
ナチュラルチーズ
乳酸菌だけだとヨーグルトと変わりませんが、酵素を加えて固めます。
「乳酸菌」や「酵素(レンネット)」を加えるとたんぱく質が固まりプリン状になります。
ここから水分をさらに抜いて固め、塩を加えて熟成させてできます。
プロセスチーズ
普段食べるのはプロセスチーズが圧倒的に多いです。プロセスチーズはナチュラルチーズを原料として作られます。大ざっぱに作り方を説明すると、以下の通り。
ナチュラルチーズを細かく粉砕します。
原料に乳化剤を加え、加熱して溶かします。
乳化剤とは時々見ますが、何だろうと思いました。明治のサイトに、プロセスチーズに使用している【乳化剤】の種類についてという記事がありました。
乳化剤は、水と油を混ぜ合わせて安定させるものです。プロセスチーズは原料のチーズを一度溶かして再度、成型するという製法をとりますが、チーズ全体をなじませる(乳化させる)ために「乳化剤」が必要になります。プロセスチーズの原料としては製造上、欠かせない添加物です。
チーズの種類を紹介
ナチュラルチーズ/エダム
オランダでは、ゴーダの次に生産量が多く全体の20%を占めているのがエダムです。輸入用には赤いワックスがコーティングされていて、「赤玉チーズ」と呼ばれることもあります。
ナチュラルチーズ/エメンタール
エメンタールはスイスの代表的なチーズとして知られています。チーズフォンデュに使われるチーズとしても有名です。
ナチュラルチーズ/カテージ
生乳から乳脂肪分を取りのぞいた脱脂乳を原料に作られるチーズです。ポロポロとして木綿豆腐のような組織。
ナチュラルチーズ/カマンベール
表皮が白カビに覆われ、中がやわらかい小型のチーズです。
ナチュラルチーズ/クリーム
クリームチーズは、白くて柔らかく、きめ細かいフレッシュタイプのチーズです。乳酸菌由来の酸味と乳脂肪の豊かな味わいで、なめらかな舌ざわりが特徴です。
ナチュラルチーズ/ゴーダ
熟成の若いものは、クリーミーでさっぱりとしていますが、熟成が進むにつれて、芳醇な香りとアミノ酸由来の旨みが増し、コクがでます。
プロセスチーズの原料にもなっています。
ナチュラルチーズ/チェダー
イギリスを代表するチーズで、現在は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも製造され、世界中で最も生産物量の多いチーズです。
ナチュラルチーズ/パルメザン
パルミジャーノ・レッジャーノにこのように説明がありました。非常に硬質なチーズだそうです。それでおろして使うのですね。
パルミジャーノ・レッジャーノは、北イタリアの特定地域で生産されたチーズで「イタリアチーズの王様」と呼ばれるほど人気の高いチーズです。そのため、世界各地で「パルメザン」の名でイミテーションが造られてきました。
ナチュラルチーズ/ブルー
白カビと同じくカビを使うタイプですが、このタイプはチーズの中の方から熟成していきます。つくり方は、青カビは空気が必要なので、固めて水を切った乳 (カード)に青カビをまぶしてからチーズの形をつくります。こうするとチーズの内部に不定型な隙間ができて、青カビはその隙間にそって繁殖するので、切り口はちょうど大理石のような模様になります。
チーズスプレッド
チーズスプレッドは加工品です。コトバンクのチーズスプレッドからです。
プロセスチーズに練乳,粉乳,バター,クリーム,濃縮ホエーなどを加え,室温でも塗り広げやすいように硬さを調節した半固体状のチーズ様食品である。成分組成によりプロセスチーズに該当するもの(乳固形分40%以上)と,チーズフードに該当するもの(チーズ分51%以上)がある。
ナチュラルチーズ/マスカルポーネ
マスカルポーネは、フレッシュタイプのチーズです。イタリアのデザートとして有名なティラミスの材料としても知られています。
ナチュラルチーズ/モッツァレラ
モッツァレラは白く丸い形状のチーズです。見た目は表面がツルツルと滑らかで、よく「つきたてのお餅のよう」と表現されます。
ナチュラルチーズ/リコッタ
チーズ製造時に出てきた水分=ホエイ(乳清)を加熱して固めます。名前の由来はリコッタ「二度煮る」という意味からきています。
ホエイ(乳清)から製造するので低脂肪なのが特徴です。さっぱりした味で、やわらかで口当たりが良く、ミルクの自然な甘さが残っています。
NOTE
今は少し大きいスーパーに行くと、いろいろな種類のチーズが買えます。とはいうものの、一番買いやすいのは、昔からあるプロセスチーズです。値段も安く、包装もひと口サイズや昔からある6Pチーズなど、食べやすい大きさになっています。
ちょっとお腹のすいた時、おやつに食べるには、プロセスチーズは、低糖質でたんぱく質が多くてちょうどよいですね。