高齢者(シニア)に筋トレの必要性があるのは下半身(下肢)の筋肉のため

高齢者は転ばないようにしてくださいと言われます。骨折しやすいからです。高齢者が転びやすくなるのは、特に下半身(下肢)の筋肉が減ってしまい、バランスが取りにくくなるからです。男女とも下肢の筋肉の減少率が一番大きいですが、器具を使わない自重トレーニングをすると転倒予防の効果があります。もちろん、自分で決意して専門的なトレーニングをすれば効果が期待できます。

スクワット

高齢者(シニア)になると転ばないように気をつける必要があります

高齢者は骨が弱くなり、特に女性は転倒しただけで骨折しやすくなります。高齢者になると転倒しないようにといわれるようになります。高齢者とは一般に65歳以上の方のことを指すようですが、昔はともかく、今は個人差がとても大きいです。

一番の違いは外見ですね。そして、立ち姿を見ただけで、素人見ながら、年齢を感じさせない方もいます。

立ち姿がきれいな方はバランスがよく体に無駄な力が入っていません。

バランスを取るために筋肉が協力している

普段、立っていると意識しないのですが、立ったまま目をつぶると、体が微妙に揺れているのがわかります。前後左右に回転しながら揺れています。転ばないのは、筋肉がその都度体を支えているからです。

筋肉は加齢により減っていく

若い頃、体格のよかった人も年を取るとだんだん体が細くなっていきます。どんな人でも筋肉が落ちていきます。

若い頃は男性は女性よりも筋肉量がありますが、男性の方が年齢とともに女性よりも筋肉が減少していく割合が大きいそうです。

男女とも下半身の筋肉の減少率が一番大きい

全身の筋肉の中で、男女とも下肢の筋肉が一番減ってしまうそうです。下肢(かし)とは、コトバンクによると、「人の下半身。人の足。脚部」です。

高齢者が転びやすくなるのは下肢の筋肉が減ってしまうことが関係ありそうです。

日本人筋肉量の加齢による特徴にはこのように書かれています。

筋肉量はすべての部位において年齢に関わらず男性が女性よりも有意に多く,また,加齢に伴う減少の割合は男性の方が女性よりも大きいことを示した.

部位別の特徴として,下肢は 20 歳代ごろより加齢に伴い著明な減少を,上肢は高齢期より緩やかな減少を,体幹部は中年期頃まで緩やかに上昇した後減少を示した.さらにこれらの総和である全身筋肉量は中年期頃まで微量に増加あるいは横ばい状態から減少した.

このように筋肉量の加齢変化は部位により異なり,減少率が最も大きいのは下肢で,次に全身,上肢,体幹部の順であった.(中略)

本研究では日本人筋肉量の部位別の加齢変化が明らかとなった.特に下肢筋肉量は早期より加齢に伴い大きく減少することから,高齢期の健康づくりにおいて下肢筋肉量に注目した支援の必要性が示された.

下半身の筋肉の減少は自分の体重を利用したトレーニングで防ぐことができる

下半身の筋肉量を増やすために、自分の体重を利用した、自重トレーニングで改善することが研究されています。その中の一つを紹介します。

自重トレーニングとは、たとえば、こんな内容です。

  1. 椅子座り立ち 10回×3セット
  2. 膝伸展 10回×3セット
  3. 上体起こし 10回×3セット
  4. 膝上げ 10回×3セット
  5. 踵上げ 20回×3セット

回数が面倒に思うかもしれませんが、どの動きも簡単にできます。これらを継続すると、太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」が増えるのだそうです。立ったり歩いたり、階段を昇ったりするときに使う筋肉です。

高齢者における自重負荷運動による下肢筋肉量の変化と転倒予防効果についてにはこのように書かれていました。

目的はこの通り。

高齢者における下肢を中心にした最大筋力の30~50%の転倒防止自重負荷運動を3ヵ月継続し,下肢筋肉量への運動効果を調査し,転倒予防に関する効果を検証する.

3ヵ月間毎日続ける

何となく思い出した時にやるのではなく、家庭でも毎日やってもらったそうです。

健康教室に参加した21名に,3ヶ月間にわたり最大筋力の30~50%の負荷量である自重負荷による下肢筋力訓練(椅子の座り立ち,膝伸展,上体起こし,膝上げ,踵上げ)をおこなった.

実施状況を確認するため,健康教室を週1回,午後2時間実施し,自重負荷による下肢の筋力向上を目的とした運動をおこない,自宅でも健康教室と同じ運動を毎日実施し,実施状況を記録させるようにした.

運動内容,回数に関しては,その日の体調に合わせて個人が設定するように指導した. 初回と3ヶ月後の最終日に,健脚度,超音波測定装置と体成分の分析装置によって下肢筋肉量を計測し,それぞれについて対応のある t 検定を用い統計的に検討した.

内容は、上で書いた通りです。

1.椅子座り立ち 10回×3セット
2.膝伸展 10回×3セット
3.上体起こし 10回×3セット
4.膝上げ 10回×3セット
5.踵上げ 20回×3セット

その効果を測定します。測定するには機器を使うほかは、実際に動いて、実験開始前と比較します。どれも目的は、安全に動けるかを想定しています。

最大一歩幅

両足をそろえた状態から,つま先の位置から最も大きく片方の足を踏み出し,反対側の足を揃えた際のつま先までの距離を計測した.電車に乗るときを想定したテストで,プラットホームと電車の隙間が広い時,またぐことができるかどうかを判定し,バランスを崩さず立てる距離を計測するものである.

10m全力歩行横断歩行

広い道を渡る時を想定したテストで,信号が変わる前に道路を渡り切れるかどうかを判定し,何秒,何歩で歩けるか計測した.

40cm踏み台昇降

高さ40cmのステップ台に手すりを使わずに確実に昇り,台上で両脚をそろえて直立し,向こう側に降りることができるかどうかを判定した.これは,バスへの乗降を想定したテストで,「支えなしで安全に余裕をもって昇降できる:○」,「脚に手を当てれば何とかできるが着地でふらついてしまう:△」,「できない:×」の3段階で評価をおこなった.

自重トレーニングで転倒予防の効果があった

動き自体は、大したことがない自重トレーニングですが、毎日3ヵ月続けると効果が出ます。

健康教室と自宅で,最大筋力の30~50%の負荷量である自重負荷による筋力トレーニングを3ヵ月間おこなった結果、大腿四頭筋の筋肥大が認められ健脚度が改善し,転倒予防の効果があったと考えられた.

自重トレーニングは、器機を使わず、手軽に家庭でもできることを想定しています。面倒くさいと思われるとトレーニングをしてくれなくなるからです。

しかし、もし、自分がはっきりした意志を持って、もう少し専門的なトレーニングをすると、もっと効果が上がると思いますね。

NOTE

もう、20年以上のおつき合いになる治療院の院長がいます。自由が丘でマッサージと整体治療をしている治療院よしぐちさんです。

院長が書かれているブログの記事に、高齢者は筋肉が落ちてしまうので筋トレが必要ですがあります。

高齢者は筋肉が落ちてしまうので筋トレが必要です | 自由が丘 治療院よしぐち
もうすぐ75歳になる山岳ガイドの先生が来院され、筋肉の量が減っているのに気がつきました。ロッククライミングも教えている方なので、同世代の方に比べてはるかに筋肉を使っています。しかし、加齢によってわりとまとまった量の筋肉が落ちることがわかりました。特別運動をしない一般の方も筋肉が落ちていきます。たとえば、足の太ももの筋肉...

この中で、まもなく75歳になる山岳ガイドの先生のことを書かれています。ロッククライミングを継続しているのに、ごそっと筋肉が落ちてしまった。高齢になると筋肉が落ちると思って筋トレが必要だという話です。

この記事は興味があって院長に話を聞いたのですが、60代後半までは筋肉がつくが、70代になると筋肉が落ちる印象があるということでした。

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