65歳以上の高齢者はたんぱく質を意識して摂るのがよいです。最低 1.0 g/kg 体重/日以上のたんぱく質を摂取することが望ましいです。シニアになると、少食になったりあっさりしたものを食べるようになり、たんぱく質が不足する場合があります。筋肉が減ってよぼよぼしたサルコペニアやフレイルといった症状の原因になるので、たんぱく質を摂って下さい。
高齢者(シニア)はたんぱく質を意識して摂るようにする
65歳以上の方は少なくとも 1.0 g/kg 体重/日以上のたんぱく質を摂取することが望ましいといわれます。
体重50キロの方は、1日50g以上、体重60キロの方は、1日60g以上のたんぱく質を摂って下さいということです。
普段、1日どのくらいたんぱく質を摂っているかわかりますか?
ところで、「1日どのくらいたんぱく質を摂っていますか?」と聞かれて、すぐに答えられる方は、特別な方です。アスリートか、厳密なダイエット中の方など、食餌制限をしている方です。
たいていの方は、「昨日は、朝卵を食べて、昼は麻婆豆腐を食べて、夜は豚肉を食べたな」程度のこと、食べたものしか答えられないと思います。でも、それが普通です。
高齢者になるとたんぱく質が不足する場合がある
毎日の食事は、栄養を考えていないわけではないものの、習慣になっているので、だんだん似たようなものを食べるようになってくるのはどなたでも同じです。その場合、人によってはたんぱく質が不足することがあります。
厚生労働省のe-ヘルスネットには低栄養/PEMとして説明されていました。
食事の量が少なくなりあっさりしたものを好むようになるから
健康的に生きるために必要な量の栄養素が摂れていない状態を指します。その中でも特に、たんぱく質とエネルギーが充分に摂れていない状態のことを「PEM(Protein energy malnutrition):たんぱく質・エネルギー欠乏(症)」といいます。
一般に高齢になると、食事の量が少なくなり、あっさりしたものを好むようになるため、食事に偏りが生じやすくなります。このような食生活を長く続けると、たんぱく質やエネルギーが不足し、PEMとなるリスクが高まります。
自分の好きなように食べていると、たんぱく質が不足する人が出て来ます。そんな方は注意すべき症状があります。
たんぱく質が不足すると心配な症状
高齢者のたんぱく質不足で心配な症状は、サルコペニアとフレイルです。
サルコペニア
コトバンクサルコペニアにはこのように書かれていました。一言でいえば、筋肉が減った状態のことをいいます。
「筋肉減少症」と訳される医学用語。(中略)
おもに加齢や疾患により、高齢者において活動性が低下し筋肉量が減少すること、および、握力などの筋力低下がおこる状態と定義されている。歩行速度の低下など機能的な側面も含めて定義される場合もある。
一般に、ヒトでは30歳以降、筋肉量は減少傾向を示し、筋力も低下していく。加齢とともに食事摂取量が減少し、筋肉の構成要素であるタンパク質摂取量も減少する。さらに、筋力を維持するうえで必要な運動も十分とはいえなくなる。サルコペニアが進行すると、転倒しやすくなったり活動性がさらに低下したりして、要支援・要介護状態になる可能性が高くなる。
フレイル
コトバンクフレイルにはこのような説明がありました。サルコペニアよりもさらに心身が虚弱になった状態です。
運動機能や認知機能の低下、慢性疾患などの影響で高齢者の心身が虚弱となった状態。高齢者の多くの場合、健常な状態から筋量・筋力が低下する「サルコペニア」の状態を経て「フレイル」となり、要介護状態に至るとされる。
65歳以上の方は少なくとも 1.0 g/kg 体重/日以上のたんぱく質を摂取する
これらの状態に陥らないようにするために65歳以上の方は少なくとも 1.0 g/kg 体重/日以上のたんぱく質を摂取することが望ましいとされています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書たんぱく質にはこのように書かれています。
習慣的なたんぱく質摂取量とフレイルの発症率又は罹患率との関連を検討した観察疫学研究(横断研究及びコホート研究)のメタ・アナリシスは、観察集団内における相対的なたんぱく質摂取量が多いほどフレイルの発症率又は罹患率が低い傾向があると結論している。(中略)
フレイル及びサルコペニアの発症予防を目的とした場合、高齢者(65 歳以上)では少なくとも 1.0 g/kg 体重/日以上のたんぱく質を摂取することが望ましいと考えられる。
たんぱく質を補給するために栄養成分を知る
私は体重70㎏なので、1日に最低70gのたんぱく質を摂る必要がある。肉や大豆にはたんぱく質が多い。では、どのくらいたんぱく質が含まれているかご存知ですか?
これを知るには、文部科学省の食品データベースを使うと便利です。日本食品標準成分表2020年版(八訂)の値を知ることができます。
楽しみながら調べて計算する
いま、このデータベースを使って、思いついた食品のたんぱく質を調べて表にしました。納豆が肉並みにたんぱく質があること、鶏の皮を取った胸肉がたんぱく質が多いこと。ゆで卵もたんぱく質が多いことがわかります。
| 木綿豆腐 | 7g |
| 絹ごし豆腐 | 5.3g |
| 凍り豆腐/乾 | 50.5g |
| 糸引き納豆 | 16.5g |
| ぶた/ロース/脂身つき/生 | 19.3g |
| ぶた/ばらベーコン | 12.9g |
| にわとり/むね/皮なし/生 | 24.4g |
| にわとり/ささみ/生 | 24.6g |
| 鶏卵/全卵/ゆで | 12.5g |
たとえば、1週間の食事をスマホで撮って記録して、あとでたんぱく質の量を計算してみるとだいたいの量を知ることができます。
もう一歩進んで、調理の前に重さを測ればさらに正確になります。
NOTE
たんぱく質を摂るには、プロテインを利用することもできます。ただ、私が個人的にあまり好きではないので、記事には書きませんでした。
アスリートや若い方なら別ですが、ある程度の年齢になった方は、できるだけ普通の食べ物を食べてたんぱく質を摂るのがよいと思います。その方がおいしいです。